1994年に公開された映画『フォレスト・ガンプ(一期一会)』は、私の大好きな映画の一つです。
第67回アカデミー賞作品賞の他、監督賞・脚色賞・主演男優賞・編集賞・視覚効果賞と、全6部門もの賞を受賞した作品です。多くの賞を受賞したのも納得の映画作品だと思っています。
「ネタバレあり」ですが、映画のレビューと、何度も観て気付いた「自分が望まぬとも愛される人間像」について書いています。
私の主観ですが、映画は、「ストーリー」「演技」「映像美」「音楽」の4つの要素が重要だと思っています。(※ただし、私の好きな映画の中で、4つの要素全てを兼ね備えてないものもありますが…。)
まず、ストーリー。
「あり得ないでしょう!:微笑」といった、予想外のことが次から次へと起こり、とてもユニークに進行します。
ストーリーが進む最中、アメリカの時代背景と上手くコラボさせながら、ストーリーが展開していくのもわかりやすくて、面白いところです。(例えば、時のアメリカ大統領との面会とか、アメリカで起こった事件とか。)
クライマックスに向けては、「なんと、そう来たか!」と、完全に予想を裏切られる展開になり、映画にグッと引き込まれてしまいます。そして、締めもバッチリ。
演技は、主演が名優トム・ハンクスなので、言わずもがな。
また、主要な登場人物である「ジェニー」や「ダン中尉」も役柄にピッタリかと。(特に、ゲイリー・シニーズ渋くて好きなんですよねー。)
次に、映像美。
定義は人によって様々あると思われますが、私は「背景が美しい」ことが大事だと思っています。
生家のアラバマ州の草原や大木を始め、フットボールの試合会場の雰囲気、ワシントン記念塔前での再会シーン、エビ漁のシーンでの海や空、そして、ランニング中の広大な麦畑や湖、砂漠、紅葉等々に至っては、色彩がとても鮮やかで、背景だけ観ていても感動します。
そして、音楽。
各時代に流行した音楽が多用されています。ストーリーの展開の仕方を考えると納得のサウンドです。
もちろん映画のために作られた音楽もありますが、どれもうるさくなく、音の必要のないところは無音。(無音シーンもポイント。)
『フォレスト・ガンプ』のサウンドトラックは、世界中で1,800万枚売れたとか。まさに空前絶後…。
「人生は箱入りのチョコレートと同じ。何が出るかはお楽しみ」がサブタイトルであり、映画の主題だとは思いますが、もう一つ「愛って何だろう?」というのも大事なテーマなんだろうと思っています。
フォレストとジェニーの会話で「本当の愛とは?」ってことが見えてくるはずです。
フォレストが軍隊に入りたての頃、ジェニーがメンフィスの劇場で歌っていた頃、ジェニーに「愛が何かなんて知らないクセに!」と言われます。
ワシントン記念塔で再会したときに、フォレストが勲章をジェニーに渡すときに、言ったセリフも印象的ですが、ジェニーが一旦リセットすべく、フォレストの家に戻ってきたとき、「僕は利口じゃないけど、愛が何だかは知ってるよ。」とジャニーに言います。ジェニーも重々わかっていたんだろうと。だから、フォレストの元に帰って来たわけで。
映画の冒頭から、一貫している二人の関係なので、これも一つのテーマだと感じました。
大好きな映画なので、何回観たかわかりません:笑 (大抵、己の身を律したいときに観たりします…。)
何回も観てて、ふと気付いたことがあります。
主人公のフォレストの人物像、というか、生き方が、実にシンプルであることです。
以下の3つです。
たぶん、この3つに集約できると思います。
最初の2つって、しごく当たり前のことに思えるかもしれませんが、実践し続けることって、案外難しくありませんか?
自分のことを省みてみると…、頭を抱えたくなることがボロボロと…。
また、こういった人物像を主人公として作られた作品って、成功している例が多いように思われます。
例えば、漫画『ドラゴンボール』の孫悟空。原作を知る方は、先に挙げた3つの要素にピッタリ当てはまることを、おわかりいただけると思います。
作品は、世界中で大ヒット。
それぞれの作品のストーリーの中で、フォレストも孫悟空も、次第に周囲の人間に愛されていくわけですが、それだけでなく、作品を観る・読む人の心もわしづかみにしたのも事実。
つまり、「自分が望まなくても周囲から愛される人間って、実社会でも、きっと同じなんだろうなぁ」と思った次第です。
実生活では、いろいろなことがあるので、あまり自分のことを縛るのもどうかと思いますが、「当たり前のことを普通にこなせるようになる」ことを、どこか頭の片隅に置きながら生活してみるのも悪くないと思われます。
その結果、「幸福感が増すんじゃないか?」という仮説です…。
このことについて補足したいことは多々ありますが、本筋の映画レビューから反れるので…。
『フォレスト・ガンプ(一期一会)』は、20年以上も前の映画ですが、「いい作品は、いつの時代でもいい」というのは、映画に限らない事実なので、古い映画ですが、今観ても楽しめると思います。
アメリカの歴史や文化のことを知らなければ、少々わかりにくい場面があるので、いくつか補足します。
アラバマ州立大学に黒人学生が入学するシーンがあります。当時、黒人が権利を履行して、大学に入学する動きがアメリカ全土で行われていました。
最後まで、黒人の入学を拒絶していたのがアラバマ州。大学の入り口で演説していたのは、ジョージ・ウォレス知事。後に暗殺されかけますが、それは1972年のニクソン2期目をかけた大統領戦の最中のことでした。
フォレストがベトナム戦争に行きますが、特に南部の州では、祖国のために戦いに行くことを誇らし気にする風潮がありました。…最初は。。
ニクソン大統領との面会後、フォレストはウォーターゲートホテルに宿泊することになりますが、ウォーターゲートビルにある民主党の本部にCIAの諜報員を使って、情報を盗み取ろうとたくらんだのがウォーターゲート事件。
フォレストが、「明かりがチカチカして眠れないので…」と電話するシーンがありますが、映画の中では、あの電話がキッカケで事件が発覚したということになっています。
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