旅行、特に海外旅行の際によく持っていく薬として「正露丸」が挙げられます。
正露丸といえば、「ラッパのマークの正露丸」と、昔からCMでもお馴染みの胃腸薬です。
正露丸のマークがラッパになった理由は、日露戦争が由来でした。
1902年(明治35年)に、大幸薬品が「正露丸」を発売しました。
しかし、3年後の1905年に薬の名称が、「正露丸」から「征露丸」に変わりました。
薬の名称が「征露丸」に変わった理由は、1905年に日本が日露戦争に勝利したからでした。
「征露丸」とは、読んで字のごとく、「露西亜(ロシア)」を「征服」したという意味が込められており、戦勝記念の胃腸薬となったわけです。
戦勝記念ともなれば、軍隊の進軍ラッパをトレードマークにしたのも、当時の時代背景(帝国主義)を考慮すれば納得できます。
さらに、CMのテーマソングに使われているラッパのメロディは、軍隊の食事ラッパがそのまま採用されることになりました。
昔放映された「坂の上の雲」というドラマで、海軍の食事シーンの際に、正露丸のラッパのメロディに似たものが流れていたシーンがあったかと思います。(※正しくは「陸軍の食事の合図」のメロディです。)
しかし、後年(第二次世界大戦後)に、「征露丸」は、ロシアとの外交関係を考慮して、元の「正露丸」の名称に戻されました。
「征」の字を使うことが、国際信義上好ましくないとの行政指導があったからです。
以来、「正露丸」に名称が戻ったわけですが、未だ「征露丸」の名称で販売しているものもあるようです。
現在では、大幸薬品以外の製薬会社からも「正露丸」が発売されていますが、ラッパのマークではない正露丸が多数です。
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