扁桃腺には役割がないと思われていたため、昔は扁桃腺がよく腫れる子どもは手術で切っていました。
しかし、実は扁桃腺には大切な役割があることがわかりました。
扁桃腺は、喉の両側にあり、口から入ってきた細菌が体の中に侵入しないよう働きます。
扁桃腺には数百万の白血球があり、侵入してきた細菌と戦います。しかし細菌が強すぎる場合は、細菌をやっつけるためにどんどん血液が送られます。「扁桃腺が腫れる」のは、このためです。
扁桃腺が腫れると高熱が出ることが多いですが、それだけ白血球と細菌の戦いが激しい証拠です。
小さい子どもの場合、免疫力が十分についていないので、扁桃腺が腫れて高熱を出すことが多いのです。
免疫力がついた大人の場合でも、扁桃腺が異常に腫れる人もいます。常時痛みがあり、食べ物を飲み込むのも辛くなり、水を飲むのも痛みが走り、終いには話すことができなくなるほどです。
話すのも辛くなるほど扁桃腺が腫れてしまう理由は、白血球と細菌の戦いの残骸「膿」が扁桃腺に溜まってしまっているのです。
耳鼻咽喉科で喉に注射を打ち、膿を取り除いてもらい、数日間、抗生物質を点滴で送ることになります。(入院です)
腫れに気づいたら、すぐに錠剤の抗生物質を飲んでおさえる方法もあります。
しかし、先ほど述べた「膿」は扁桃腺から少しずつ体内に放出されます。この膿が厄介。
膿は体内を巡り、不要なものなので体外に放出されるかと思いきや、この膿は腎臓ではろ過できず、膿が腎臓に溜まってしまいます。
結果、「腎炎」「腎不全」、ひどくなると「人工透析」「腎臓移植」が必要になります。
以上から、免疫力のついた大人であれば、扁桃腺が何度も腫れるなら切ってしまった方が良いと思われます。
扁桃腺を切る場合、当然手術が必要になります。
昔は、「日帰り手術」で入院の必要がなかったようですが、手術後の傷口から大量の出血で亡くなった方がいたことから、今では1ヶ月程度入院することになります。
傷口の塞がり具合が早ければ2週間ほどで退院できる場合もありますが、2週間~1ヶ月の間仕事を休まなければなりません。
なかなかキツイ選択ですが、将来「人工透析」「腎臓移植」が必要になってしまうのを良しとするか…。想像以上に厳しい生活になってしまいます。
手術を避けるなら、先にも書いたように、腫れを感じた時点で抗生物質を服用して、自分の扁桃腺とうまくつきあって行く方法もあります。
Copyright (C) Islet search. All Rights Reserved.