神社に参拝する時、拍手を打ったり鈴を鳴らすのは、空気を振動させることによって、神様の力を鼓舞しようという意味があります。
これらはいずれも古来から伝わる「魂振り(たまふり)」という儀式のバリエーションとも言えます。
魂振りは、神の魂を奮い立たせ、神を呼び寄せるための儀式です。
魂振りは、やがて人に対しても行われるようになりました。
万葉集には、恋人に向けて袖を振る歌が数多く残されています。
恋する相手の魂を引き寄せるまじないが、袖を振ることだったのです。
日本人が「いってらっしゃい」と手を振るのも、元々は単なる合図ではなく、魂振りの意味合いがありました。
昔の人は、出かける人に対して手や袖を振ることで神霊を招き寄せ、その神霊のご加護によって「安全に旅ができるように」と祈りました。
それが、今にも残っている「いってらっしゃい」のルーツです。
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