イチローが2016年8月7日(日本時間8日)、MLB史上30人目の3,000安打を達成しました。
その後の記者会見の中から、「イチローの哲学」たる回答を抜粋しました。
セントルイスから球場の雰囲気、ファンの人たちが特別な空気を作ってくれて迎えてくれたことから始まったんですけど、ずいぶん長い時間、まぁホームで決めるというのがなんとなく人が描いたイメージだったと思うんですけど、なかなかそんな上手くいくわけもなく、それも分かっていたことですし。
でも、「これだけ長い時間、特別な時間を僕にプレゼントしてくれた」っていう風に考えれば、この使われ方もよかったな。というふうに今は思います。
ただバットを振って…まぁバットを振ること、それ以外もそうですよね。走ること、投げること。全てがそうですけれども、ただそれをして3,000本はおそらく無理だと思いますね。
瞬間的に成果を出すことはそれでも出来る可能性はありますけども、それなりに長い時間、数字を残そうと思えば、当然、脳みそを使わなくてはいけない。
まぁ使いすぎて疲れたり、考えてない人にアッサリやられることもたくさんあるんですけど、でも、それなりに自分なりに説明はできるプレーをしたいというのは僕の根底にありますから、それを見ている人に感じていただけるなら、とても幸せですね。
それはありきたりになってしまいますよね。これだけ長い時間いろんな場所から集まってくれて、それはもう今更言うまでもないですよね。
でも、3,000を打ってから思い出したことは、このきっかけを作ってくれた仰木監督ですね。神戸で2000年の秋に、お酒の力を使ってですね、僕が口説いたんですけど、その仰木さんの決断がなければ何も始まらなかったことなので、そのことは頭に浮かびました。
そんなこと僕に聞かれても困りますけどねぇ。
どうでしょう…うまくいかないことが多いからじゃないですか。
これは、もし成功率が7割を超えなくてはいけない競技であったら、辛いと思いますね。3割で良しとされる技術なんで、まぁ打つことに関しては。これはもういくらでも自分の『志』と言ったらちょっと重いですけども、それさえあれば、その気持ちが失われることはないような気がしますけどね。
え!? 達成感って感じてしまうと前に進めないんですか? そこが僕にはそもそも疑問ですけど、達成感とか満足感っていうのは僕は味わえば味わうほど前に進めると思っているので、小さなことでも満足感、満足することっていうのはすごく大事なことだと思うんですよね。
だから、僕は今日のこの瞬間とても満足ですし、それは味わうとまた次へのやる気、モチベーションが生まれてくると僕はこれまでの経験上信じているので、これからもそうでありたいと思っています。
ある時から、先ほども言いましたけど、感情を殺すことですね。このことはずっと続けてきたつもりです。
今日、達成の瞬間もすごく嬉しかったんですけど、「途中ヒットをガムシャラに打とうとすることがいけないことなんじゃないか」って僕は混乱した時期があったんですよね。
そのことを思うと、今日のこの瞬間、当たり前のことなんですけど、いい結果を出そうとすることが、みんなも当たり前のように受け入れてくれていることが、こんなことが特別に感じることはおかしいと思うんですけど、僕はそう思いました。
印象に残る6つの回答を抜粋してみました。
それらから見えることは、「①ポジティブに考える」「②考え抜く」「③感謝」「④信念を持つ」「⑤積み重ね」「⑥信念に立ち返る」そんなところでしょうか?
大きな記録達成後の、短い会見の中にも、イチローが偉大な選手である理由が詰め込まれていると思います。
何かを成し遂げるには、①~⑥のことを、自分の立場や目標とミックスして、入れ替えたり、繰り返したり、付け足したり、そういったことで、目標や夢に一歩近づけるかもしれませんね。
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